共通テストへの道 #1 公共政経のすすめ

2025年度の国公立二次試験も、まもなく終わりの時期を迎えてきました。受験生の皆さん、お疲れ様です。共通テストがもう1ヶ月半も前の出来事であったことが信じられません。

今回から不定期に掲載する「共通テスト攻略」は、受験生の方に役立ちそうな情報などを、高度に抽象化してお届けするシリーズ企画です。

本シリーズについて

本企画では、学年内でも成績が下の方である筆者7R514が、どのようにして共通テストで約900点(有効数字1桁)を取ったのか、さまざまな点から説明していきます。

「勉強時間を増やせ」等の物量で解決させようとするアドバイスや、参考書のおすすめなど、個人の好みが関わる話は一切書きません。(ちなみに筆者のおすすめの問題集は、学校指定のリードαなどです。以上。)

代わりに、知っていれば非常に役立つこと、考え方を少し変えるだけで楽になることなど、より実用的な事柄を解説していく予定です。コペルニクス的転回と言うのでしょうか。

分かりやすく例えるなら、「天体の動きを説明しやすくするために地動説を提唱する」「光電効果を説明しやすくするために光量子仮説を提唱する」といったイメージです。(え、分かりづらい?)

筆者の学力について

リアルでもたまに勘違いされることがありますが、私は勉強ができる人、優等生などでは決してありません。それらを否定する例を挙げますと、

  • 1日の数時間を、Twitterを見たりゲームをしたりするのに費やす
  • 年に何度か赤点(30点未満)を取る
  • 提出物をきちんと提出しただけで先生から驚かれる
  • これまでに追試(評定が35点未満)を4回喰らったことがある

などなど。自分で書いていて悲しくなるのですが、悪い点を挙げるとキリがありません。

「こんな賢そうな人のアドバイスなど、自分には役に立ちそうにない」などと考えていたそこの貴方、タブを閉じずにもう少しだけお付き合いいただければ幸いです。

私が公共政経を選んだわけ

さて、本題に入りましょう。本日のテーマは、「公共政経のすすめ」でしたね。初めに要点を書いておきます。

地歴の成績が伸び悩んでいるのであれば、とりあえず公共政経を選べ。

私は地理選択の理系ですが、共通テストで使用した科目は公共・政治経済です。なぜそれを選んだのかというと、単純に地理も歴史も苦手だったから。あとは単純に、地理や歴史よりも興味があったということもあります。

公共政経では、その名の通り政治や経済に関する問題が出題されます。これらの話は生きていく上で避けられないですし、ニュースなどでよく耳にする情報も多く含まれます。そういった意味でも、私にとっては面白かったのです。

でも、自分には難しそう

では、例題を出してみましょう。2025年本試験の第3問 問2の一部です。

  1. 合区選挙 (2016年から2022年までの間に3回実施)
  • 鳥取県と島根県、徳島県と高知県でそれぞれ1選挙区とする合区。

X: 合区については、「政治・経済」の授業でも学んだな。(衆議院/参議院)の選挙制度で採用されたんだよね。

さて、カッコの中に入るのはどちらでしょうか。

正解は「参議院」です。わざわざ『2022年まで』とされていることから、2022年に選挙が行われたとメタ読みすることができます。参院選は3の倍数の年に行われますから、特徴と合っていますね。

衆院選が2021年(第1次岸田内閣)、2024年(第1次石破内閣)に行われたことを覚えていれば、消去法で解くこともできました。

さらに、この問題文から、通常は都道府県ごとに1つずつ選挙区が置かれていると予想できます。これも参院選の特徴です。

中学レベルの知識と、ニュースで得られる情報だけで解くことができました。ほら、簡単でしょう?

それでも自分には難しそう

別の例題を出しましょう。2025年本試験の第1問 問4を元にしていますが、出題意図を損なわない程度に改変を加えています。

「個性や属性にかかわらず、すべての人を同じように扱うこと」

「クオータ制のように、格差を積極的に是正すること」

どちらが形式的平等で、どちらが実質的平等であるか。

おそらく多くの方は、仮にこれらの単語の意味を知らなかったとしても、直感で理解することができるでしょう。

正解は、前者が形式的平等、後者が実質的平等です。

このように、直感だけで解ける問題がかなり多いですから、多くの人におすすめできます。

それでも(略)

実は公共政経の問題の半分程度は、グラフや表などの資料を読み取り、それに基づいて答えるだけです。つまり、予備知識が一切なくても5〜6割程度は安定して取ることができます。文章やグラフを正しく読み取ることぐらい、朝飯前ですよね?

ちなみに、共テの各科目の問題は、平均点が6割程度になるように調整されていると言われています。5〜6割を安定して取れるというのは、とんでもない大サービスです。

それでも

いいからやれ。今すぐ。

社会常識のある人であれば、むしろ6割切る方が難しいレベルだぞ。(不注意による凡ミスを除く)

デメリットはないの?

地歴が好き、もしくは十分に点を取れているのであれば、無理に公共政経へ行く必要はありません。

また、志望大学によっては、社会で使用できる科目が制限されていることもあります。公共が選択不可、あるいは高校で履修した科目のみ認められるケースも珍しくありません。あらかじめ、募集要項をよく確認してください。

その他のデメリットとして、公共科目は受験者数が少ないため、データが十分に揃っておらず、模試などの判定が若干不正確であることなどが挙げられます。
例えば、東進の模試で東京理科大学を志望校として選択し、社会科目で公共政経を選ぶと、判定ランクの右上にデータ不足を示す「*」が表示されます。

まとめ

地理歴史が非常に得意である場合を除き、必ず公共政経を選びましょう。ほぼ確実に点数が上がるはずです。授業で学んだわずかな知識と、普段のニュースで得た情報、片手間に読んだ参考書だけで、90点(有効数字1桁)を取った私が言うのですから、間違いありません。

さて、次回は英語についての記事になります。お楽しみに。

…え、順番的に次は国語だと思った? ごめんなさい。私は古文漢文が苦手なので、解説できることがないのです。